ブランディングとは、ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つ
引用:Wikipedia
デザイン案を作る手順をまとめます。今回は①情報収集です。
- 情報収集
- コンセプト策定(タグライン・デザイントーン決め)
- デザインカンプ作成
- Photoshopデザイン案作成
情報収集ははっきり言ってスゴく面倒くさいです。でも1つずつ手順を踏めば「案を考えるのが苦手」「デザインの理由を説明できない」が解消されます。「何でもいいから案を出して」と言われたとき、やみくもに作ると2度手間・3度手間になって仕事が終わりません。煮詰まった時にぜひやってみてください!

【バタコの経歴】未経験からDTPデザイナーになり5年目、Webデザインの経験は少し。来年の秋 副業で初受注する事を目標にブログを書きながら「売れるデザイン」学んでいます。
※幼稚園のホームページ制作をしながら、実際にやった手順です。記事では幼稚園の事を「自社」と書きます。
【3P分析・自社】主観的・客観的な特徴から、強みを知る

はじめに自社の強みを把握しましょう。
①【自社の想い】企業理念・沿革(記念誌などから集約)
②【自社がアピールしたい特徴】商品サービス内容
③【ユーザーの評判】口コミ・ランキング・卒園生の声・アンケート等
④【情報の整理】①②③が一致する事を箇条書します。それが自社の強みです。
情報収集の失敗例(商品サービス・理念・評判)
しまった!いつの間にかネットで買い物していた・・
情報収集は必ず制限時間を決めてやります。でないと永遠に終わらないです。「その時調べている1つのテーマだけに集中」すると、ネットショッピング等に迷い込む回数が減ります。
本を読むだけで、1日終わった・・
本から学ぶ事も大切ですが「期日までに仕事を終らせる」ことが前提です。最初は「デザイン案を考えるまでの、自分なりの手順を見つける」を目標に。型が出来たら、1インプット10アウトプットのつもで専門書を読み、実践で役立った方法を10回繰り返しましょう。
ルーツは絶対必要?
ルーツをブランディング戦略に取り入れると、競争の無い 長く愛される企業になります。「本場は違うね〜」と一目置かれるように、企業理念に沿ったサービスは説得力があり、価値が倍増します。
これ、創立者の言葉?わたしの言葉?
企業理念には1語1語コダワリがあります。記念誌などから抜粋し要約する時は気をつけましょう。原文通りでいったん整理し、箇条書きにする時に自分の言葉に直しました。すっきり整理された原文が残っていると、あとで制作物のテキストを考えるとき役立ちます。
サービス・ルーツ・評判バラバラだったら?
内部改善について口をはさむと嫌がられる事もあるので、相手や自分の立場にもよります。できれば気づいたズレは共有したい所です。「物が売れるようにするのがマーケティング」その一部にデザインという仕事があるので。
自分探しは、自分だけでは難しい・・
「自分の想い・自分が出来る事」を正しく把握するだけでも大変なのですが、それだけでは、まだ強みと言えません。必ず「競合と違いがあるか」チェックが必要です。次は競合比較をやってみましょう。
【3P分析・競合】競合情報から差別化ポイントを知る

期待してイベントに参加したのに「思ったより大したこと無いな」が続くと、がっかりしますよね。広告がだんだんウソに見えてきます。「世の中のニーズに合った良いサービス」でも、競合に負けているならアピールが逆効果になる事もあるのです。
「どの強みをアピールすべきか」知るために、競合のサービス内容・評判を調べます。
【例】園庭が広いと書いてあったけど、 競合の方が広いしキレイ
→施設紹介はいっそ掲載しない(or控えめに掲載する)
→園庭ではなく「園庭で遊ぶ園児」に焦点をズラした写真を使う
優位性を探すとき、気をつけること
競合の方が魅力的に見える・・
まずは、弱みより強みを1つ探す事に集中しましょう。顧客ニーズを満たし差別化できる特徴さえあれば「比較検討される企業」になれます。全部完璧である必要はありません。6社中3社に残ればいいイメージです。(中長期のブランディングで、最初にユーザーと出会う広告なのでそう判断できます。別の記事で紹介しリンクを貼りますね)
比較したこと、全部メモするの?
「競合より優れているか・劣っているか」箇条書きしておいた方が、制作が早いです。時間がたつとせっかく調べても忘れるので。「どんなデザイン表現が良いか」気づいた事を一緒にメモすると、魅せ方に工夫が行き渡ります。
やばい時間切れ・・A4用紙1枚にまとめるだけで1日終わった
ついついキレイにまとめがちですが、情報収集に装飾は必要ありません。イラストレーターの画面を開くと作り込んでしまうので、あえてワードやテキストエディットで箇条書きすると良かったです。自分用のメモは「飾らずスッキリ」。依頼主に見せるデザイン案は「意図が伝わるように」。目的に合わせてアウトプットの仕方を調整しましょう。
【3P分析・ユーザー】共感ポイント・悩みを知りターゲット設定をする

共感がなければ、広告は見てもらえません。「誰に何を伝えるのか」をほんの少し想定できると、制作中に迷いが消えるだけでなく伝わるデザインになります。
誰に伝えるのか
- 年代(どんなデザインが合う人?)
- 関心の高さ(じっくり読んでくれる?)
- 知識レベル(どんな情報を求めてる?)
何を伝えるのか
- 制作物によって、どんな悩みが解消される?
- 制作物によって、どんな行動のきっかけをつくる?
ペルソナ設定で、デザインに一貫性と共感が生まれる
さらに詳しくターゲットを一人に絞ると(ペルソナ設定)、何のために広告を作っているのか目的がはっきりして余計な情報を削ぎ落とせます。「制作案の軸がブレない」を元に、やってみてください!
ターゲットが分からない時は調べる。調べて分からない時は仮定しよう。
調べてもターゲットが良く分からない時は「○さんみたいな人」と仮定します。ただ方向性を間違えると全部やり直しです。ときどきペルソナ設定を見直し、軌道修正すると制作時間のロスを減らせますよ。
3P分析は以上です!
情報収集をやった結果、成果はあった?
情報収集している時点では、けっこうグシャグシャです。山積みの資料、散乱したマーケティングの本。レシピを読めないまま子どもがケーキを作ったような。
何も考えず作った方が、早くてキレイなんじゃ・・
といった感じでした。
しかし!結果的には「やって良かった!これならデザイン意図をしっかり説明できそう。」となりました。
②のコンセプト策定につづきます・・
マーケティング初心者のデザイナーが、提案力を上げたい時役立つ本
最後に1冊だけ本をご紹介します。たくさんマーケティングの本を買ったのですが、難しくてほとんど活用できません。
やった手順も思い出せない・・
そんな中、以前から持っていた本のおかげで手順を整理できました。
学校ブランディング – 大学案内に学ぶ、募集広報のコンテンツ&デザイン実例集 本感想

使い込みすぎて、すっかりボロボロです。
「どのように制作コンセプトを決め、デザインに落とし込めば良いか」初心者デザイナーにも分かりやすい本です。Web・パンフ・SNSをどう役割分担するかまで実例を元に解説されています。大学広報に特化した本ですが、ブランディング基礎が集約されているので学校以外のデザインにも活かせる内容です。
今まで→デザイン装飾の参考として使っていた

この本は「まだマーケティングどころでは無い」デザイナーにも役立ちます。パンフレットやホームページを作りはじめたばかりの時は、IllustratorやPhotoshopを使いこなすので精一杯ですよね。実は私も以前は「デザイン装飾を真似するため」に使っていました。良質なデザイン実例が豊富にあるので、エッセンスを真似して取り入れるだけでもグッと良くなるんです。「案を考える産みの苦しみ」がずいぶん軽くなりました。

デザインの説明や提案を求められたとき「パンフにQRを散りばめて、Webサイトへ誘導しましょう。」なんて提案できれば、「えっ」って顔されます。デザイン案を考えるのがやっとだった初心者デザイナーの格が上がる秘策がてんこ盛り!

その最初の16ページに、ブランディング戦略の立案方法がびっしり凝縮して書かれています。この内容を面白いと感じ、ようやく実践できる段階きた所です。デザイナーがマーケティングを学びたいと思った時、最初のステップをきっとスムーズにしてくれる本だと思います。
ではまた!