蛹室(さなぎになる部屋)を壊してしまった時の話
6匹中3匹を人工蛹室で育てていました。しかし2匹の幼虫が人工蛹室で死んでしまいとても後悔しました。最後の一匹をトイレットペーパーの芯で作った人工蛹室から出して、縦型に土を堀り固めただけの人工蛹室に移しました。この一匹は無事成虫になりました。

人工蛹室を作るタイミング
土の中でほったらかした場合が一番生存率が高く立派なカブトムシが出てきます。無事成虫になって欲しい場合「そのまま育てるのが一番オススメ」です。それでも「観察したいとき、蛹室を壊してしまった時」は人工蛹室を作ります。
幼虫が成虫になる様子を観察したい時
カブトムシは土の中で成虫になるので、人工蛹室がなければ羽化する様子を全く観察できません。人工蛹室はYouTubeで検索したらすぐ出来ますが、国産カブトムシは縦向きに蛹室を作る性質があって、羽化が難しいのです。横向きの人工蛹室や、体を動かせるゆとりが無い人工蛹室だと羽の形が変形し、飛べない成虫になります。一番デリケートな時期なのでできるだけ触らないでください。
人工蛹室に移動させるタイミング
- 前蛹状態(幼虫が黄色くなり、全く動かない状態)
- 完全にサナギにった後
▼カブトムシのサナギ

カブトムシの幼虫が黒or黄色で、動かない時
幼虫・さなぎが真っ黒になっている時は、残念ながら死んでいます。ですが黄色(明るい茶色)の時は生きています。幼虫が黄色くなったら、間もなく形が変わるサインで、光や振動を与えても全く動かなくなります。これが前蛹状態です。
蛹室を壊してしまった時
5月下旬ころ「ミシミシ」と力強い音で幼虫は部屋を作ります。この音はすごく神秘的。多少の振動で崩れないよう、丈夫な一軒家を建てているようです。さなぎ→成虫になる間は何も食べれないので春にたっぷり栄養を取り、その力を振り絞りながらグルグル回って縦穴を掘ります。そんな中、既に作った蛹室を壊してしまうと、もう一度蛹室を作る力が残っていなかったり、蛹室を作れても途中で力尽きる事があります。幼虫に変わって人工蛹室を作りましょう。
羽化不全を防ぐ人工蛹室
人工蛹室は、ペットボトルやトイレットペーパーで作ります。
- 体を動かせる十分なスペース
- 縦向き
- 幼虫に直接水をかけない
- 酸素が入るよう通気よく

このくらいのゆとりがベストサイズ。栄養価が高い土を与えてきた方は、サナギが大きくてトイレットペーパーの芯ではビチビチになると思います。その場合はトイレットペーパーの芯ではなく「土を押し固めて縦穴を掘る」などで人工蛹室を作り、サイズ調整をしましょう!
▼「吸水スポンジ」もサイズ調整しやすく羽化不全を防ぎやすいようです。国産カブトムシ用の動画がないので確実ではないのですが、参考にリンクを貼らせていただきます。
7月になってもなかなか土から出てきません
成虫になって土から出てくる時期は、育った環境(特に気温)で変わります。6世帯で同じきょうだい幼虫を育てたのですが、温室の室内→6月上旬、ベランダ→7月中旬に成虫になりました。

一匹ぜんぜん土から出てこなくて、死んでるんじゃないか・・と少しずつスプーンで土を掘ってみると、うっすら白い羽根が見え生きていました。数週間後、無事成虫になって出てきました。
カブトムシの幼虫は冬眠中・羽化前に動かない?
冬眠している幼虫も、人工蛹室で育てているサナギも、振動や光など刺激をあたえた時元気なら動きます。どちらにしても自分で栄養を取れない時期で、エネルギーを消耗しないようそっとしておいてあげた方が良いです。暗い場所が安心するので、飼育ケースをダンボールに入れ光を遮断していました。
寿命はどのくらい?飼育環境によって変わる?
成虫になってからの寿命は野外で1~2ヶ月、飼育下で2~3ヶ月です。カブトムシの寿命に関わる要因は次ような事が言われています。
- 活動量(よく飛ぶ・交尾回数など)
- 栄養価
- 環境(最適気温25度/しっとりした湿度)
ただ同じように育て、同じ物を食べ、同じ親から生まれたカブトムシも、けっこう寿命は違いました。
蛹室を間違って壊してしまった時、夜中に焦ってバタバタしますよね。どうしても人工蛹室を作れない場合、土の上に置いたままでそっとするのも手です。知人のカブトムシは、少し羽は歪みましたがそのまま成虫になりました。ストレスに弱い時期なので、触る回数を減らす事が大事なようです。成虫までもうひと頑張り☆