幼虫から成虫まで、国産カブトムシを育てました。
オス・メス同居させるとメスがものすごい勢いで逃げ続けたので、スグ別居させることに。
はじめてカブト虫を飼う方に向けて、交尾・産卵の注意した方がいい点をまとめます。
かぶと虫は交尾するほど短命に
カブト虫の寿命は、成虫になって2〜3ヶ月ほど。
交尾するとさらに短くなります。
例えばオスの寿命例は
- 交尾0回→約80日(2ヶ月半)
- 交尾8回→約25日(1ヶ月)
8回交尾すると、成虫になってからの寿命は半分に。
またメスも、産卵するほど体力を消耗して短命になります。もし交尾をさせる場合も、終わった後は個室で飼育した方が長生きします。
羽化したばかりの方へ:餌を食べ始めて3週間は交尾NGです。個室がベスト
幼虫から飼育している時は、餌を食べ始めて2〜3週間は必ずオスとメスを分けて飼育します。
幼虫から羽化したばかりのカブト虫は、内蔵や生殖器が未熟です。この時期に交尾すると、カブトムシが死んでしまう事もあります。
(羽化して約1〜2週) | 土の中に潜って何も食べない |
餌を食べ始めて1週目 (羽化して約2週目) | 地上に出る 少量の餌を食べる、まだ生殖器未熟 |
餌を食べ始めて2週目 (羽化して約3週目) | 食べる量が増える ※1晩で昆虫ゼリー1個ほど |
餌を食べ始めて3週目 (羽化して約4週目) | 交尾可能 |
交尾中の転倒事故で死んでしまう事も
交尾中に細い木を踏んで、カブトムシが転ぶ事があります。
足元がグラついて交尾中に体勢を崩すと
- オスの生殖器が取れる
- メスの体内の一部が取れる
という怖いことも。※A
交配のときは地面にある余計な物は取り除いて、足元を安定させましょう。
交尾中は引き離さない。1回の交尾は1時間以上
カブトムシの交尾は、けっこう長いです。
- メスに受け入れてもらうまでに約30分
- そのあと交尾に1時間以上
しかも深夜に行われるので、観察はけっこう眠たい・・
でも交尾中は、無理に引き離さないでください。
交尾体勢を崩した時と、同じ悲劇が起こります。※A
カブト虫同士が自然に離れるまで待ち、終わったら速やかに個室に戻します。
オス・メス同居させると90%の確立で産卵
カブト虫はたくさんの卵を生みます。
- 交尾後1週間ほどで産卵
- 産卵の数は1回20〜30個
1匹のメスが数回に分けて、まれに100個以上卵を生む事も。
全てが孵化するわけではありませんが、生まれた後の事を考えておく必要があります。
- 自分で飼育する
- 貰い手を探す(保育園・学校・ママ友など)
- ヤフオク等で販売する
- カブト虫を取ってきた森に返す
「虫だから公園に放せばいい」と思っていたのですが、昔に比べてカブトムシが生存できる場所はなかなかありません。卵がついたマットを捨てる事が問題にもなっています。
詳しくは→環境省「カブトムシ・オオクワガタ さいごまで大切に飼おう」
カブトムシを森に返すと、生態系を壊す危険性も
カブトムシが急増するとノコギリクワガタ等が餌場から追い出される事もあります。また国産カブトムシにも4種類いて、それぞれが生きやすい場所があります。その点を考えると「たくさん卵が産まれても、自然に返せばいい」と大きな声で言いにくい一面があります。
カブトムシがいる木は、どんぐりの木(クヌギ・コナラ)
それでも「幼虫を取ってきた場所に、成虫を返したい」「卵が産まれたので、自然に返したい」という方の為に。
カブトムシが生息できるのは
- クヌギ
- コナラ の木がある雑木林。
どんぐりの実をつける木です。
飼育ケースの広さは1匹あたり18cm以上(同居・個室)
飼育ケースは、1匹あたり幅18cm以上必要です。
2匹なら36cm以上。3匹なら54cm以上。
土が汚れるので、2週間に1回はマット交換します。大きいほど管理が大変ですが、夜中は活発に飛び回るので場所に困らない範囲で大きめサイズを選ぶと鑑賞を楽しめます。
カインズの飼育ケース小サイズで1匹ずつ飼育すると、管理がしやすかったです。
産卵させる時は、広くて深い飼育ケース
産卵させる時は、最低でも深さ15cmの土が必要です。飼育ケースが狭すぎると成虫が誤って卵をつぶしてしまうので、広くて深いケースがいいです。
マットの選び方、土の深さ・交換頻度「土はどのくらい入れる?」
飼育ケースに入れる土を「マット」と言います。
- 幼虫用のマット
- 幼虫・成虫兼用マット
- 成虫用のマット
3種類あり、使い分けた方が快適です。
成虫を飼育する時、成虫専用マット。2週に1回はマット交換
産卵させないときは成虫専用マット(土)を購入してください。
- 深さ5cm以上、土を入れる
- 2週に1回は土を交換する
成虫専用マットは、とにかく匂いなく衛生的です。
逆に幼虫専用マットは臭いです。発酵マットといってコバエもきます。環境が悪いとカブトムシが死んでしまう事もあるので、産卵の心配がなければ、成虫用マットを使った方が飼育しやすいです。
産卵させたい時は、成虫・幼虫兼用マット
- 土は深さ15cm以上
- 2週に1回は土を交換。卵や幼虫を見つけたら別のケースに移す
産卵の可能性がある時は成虫・幼虫兼用マット(土)で成虫を飼育します。
土は5cmを押し固め、その上に10cmの土をフワッと乗せます。
2週に1回のマット交換をするとき、卵をつぶさないように新聞紙やダンボールにマットを広げて、卵や幼虫がいないか確認します。
※衣装ケースなど広いの土の中で飼育している時は、卵を割らないよう2ヶ月土の交換をしないです。
カブトムシの卵は2〜5mm。7~8月に産卵。確認の仕方
メスは7~8月にかけて20~30個くらいの卵を産みます。昆虫マットの中に小さな白いツブツブが見えたら卵です。卵の大きさは2~5mm、幼虫は5~7mmくらいです。
1〜2週間でふ化。成虫と幼虫は、違う部屋へ
卵を見つけたら、新しく用意したケースに移して飼育します。
卵や幼虫を入れるケースには、栄養価が高い幼虫専用マットを使います。幼虫はこのマットを食べて成長します。
産卵後カブトムシにおすすめゼリー(高タンパク、プロゼリー)餌の量
産卵するとかなり体力を使って寿命に関わるので、高タンパクな昆虫ゼリーを食べさせるといいです。
↓カブトムシにオススメゼリー↓
プロゼリーは、黒糖や果汁を含むタイプと全然違います。たんぱく質がたくさん入っている高タンパクなゼリーです。産卵後はもちろん、ふだんのエサとして使うと、カブトムシが元気で長生きします。
カブトムシは1日に1~2個の昆虫ゼリーを食べます。加齢とともに徐々に食欲が落ちますが、ゼリーをきらさないようにストックがあるといいです。
エサを食べない時は
エサを食べない時は、好みでない・弱っている可能性があります。直射日光が当たっていないか、室温が30度以上になっていないか、マット交換時期ではないか気をつけると回復する事があります。
完全個室、最後まで家で飼育。きっと幸せです!
交尾や産卵のことを知って、個室で飼育しました。
夜中は飼育ケースの中でブンブンいわせるので外に放したくなりますが、カラスや猫など天敵が多く、公園にはエサもありません。
その分、ときどき飼育ケースから出してマットの上を歩かせています。夕方なら飛び回る心配が少なく室内鑑賞できます。
室内飼育カブト虫のストレス発散方法

ときどき虫かごから出して、室内を散歩。

エサ台の皮をかじる事もあり。(100均のはスグこうなりました)

縦にしがみつきたい様子なので、時々カーテンに。
あとは、時々おいしいものを。
初めての方でも簡単に飼育できるカブトムシ。
手がかかる所もありますが、きっと良い思い出になると思います。
ぜひチャレンジしてみてください。